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2010年07月 アーカイブ

フルモデル・チェンジのありかた

一般的には、フルモデル・チェンジというとボディのスタイリングはもちろん、エンジンからパワー、トレーンまですべてが一新されるように見られています。


しかしが、実態を詳しく調べると、そのような例は比較的に少ないのです。


つまり、ボディ・スタイルのように、変えたことが一見してわかり素人目にも目立つモデル・チェンジは販売上の効果が大きいです。


これに対しエンジンやトランスミッションなど、メカニズムの全面的変更は、単に性能や品質の向上だけではなく、耐久性や信頼性に一抹の不安があります。


そして、外からは見えませんし、メカニズムのマニア以外は分かりにくいうえ、一般にはこの際には無関心であり、モデル・チェンジの効果が低いといえます。


したがって、大部分のフルモデル・チェンジは、ボディの鋼板や内外装などの装飾的部分やシートからメーター・パネルなど眼にふれる分かりやすい部分に限られる場合が多く、この際にはエンジンや足まわりは小変更に停まっています。


そしてフルモデル・チェンジ期間の中間あたりにこれらのメカニズム部分はマイナー・チェンジとして実施されている例が多いのです。


例えば全面的なフルモデル・チェンジとしては、わずかに日本では1981年の日産のサニーやバイオレット・シリーズ、あるいはトヨタのカムリやカローラに見られるFRからFF化の例があり、GMのK、X、J、Tの各シリーズがやはりFRからFFに変わったことに似ています。


フォードのエスコートやクライスラーのKシリーズもこれと同様な全面的変更の例でしょう。


いずれも、省資源と省エネルギーの1980年代に限られています。

フルモデル・チェンジのありかた 2

これに対して、スタイルやメカニズムのいずれもが新しい形でスタートしたトヨタのターセル/コルサやンアラ、あるいは日産のシルビアやガゼールなどは、新しいシリーズとして誕生したものです。


これはモデル・チェンジとはいえないでしょう。


この意味からすれば、アメリカの場合は、フォードのエスコートを除いては、呼び名も変えているので、やはりモデル・チェンジには入れない方がいいでしょう。


フォードのフィエスタやクライスラーのLシリーズのオムニやホライゾンと同様に、ニューシリーズとした方が正確な区別かもしれません。


日本でも同様にパプリカがスターレットとなり、チェリーがパルサーと名前を変えたように、全面的なモデル・チェンジに際して、旧シリーズの好ましくないイメージを消しました。


あたかも1クラス上級車種が新しく生まれたかのようにするという販売上の作戦の一つが、この手法なのです。


しかし、ニューシリーズの誕生といい、フルモデル・チェンジといっても、呼び方だけの違いで、実質的な内容は大同小異であることが多いです。


フルモデル・チェンジにおいて、ボディからエンジンまですべてを一新するのはあらゆる面から見て大事業であり、単に技術的や設備的な面だけではなく、販士上やアフター・サービスなどの点から見てもやはり準備作業が大変なのです。


そこで、一般的にはフルモデル・チェンジは、製造設備面で費用がかさまないボディやメーター・パネルあるいはシートなど、目立つ割には技術面で問題点の起こりにくい部分に限るという手法を取っています。

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